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「何、金髪フェチってバレて恥ずかしがってんのー!!?お前可愛いとこあんじゃんマキノ〜〜!!」
「なんでバレたのぉ…」
「いっつも俺の髪見てたでしょ」
「うわぁあん!」
めちゃくちゃ見てくるからオープンに好きなのかと思ってた。というか見てた自覚がないのか?
いつにも増してふにゃふにゃになってしまったマキノに爆笑する。大丈夫だって!誰にでも性癖のひとつやふたつあるから!なんて揶揄い混じりに励ましの言葉をかけると、マキノは余計に悲痛の叫び声をあげた。
「ネコ達には好き好き言いまくれるマキノくんが、まさか金髪には素直に好きが言えないとはなぁ!!」
「それは違うじゃん〜!!」
一頻りマキノで遊んで人生の幸福指数が上がった気がする。俺性格悪いのかも。
俺の服を引き千切らんばかりの勢いで握り込んでいたマキノも腹を括ったのか伏せていた顔を上げた。
いつもの飄々とした笑顔ではなく、仄かに頬を紅潮させて目尻に涙を溜めた姿に、これは加虐心が煽られるよなあと思ったけど俺は理性的なのでもう勘弁してあげる事にする。
「オレが保泉ちゃんよく見てたのは、金髪だからってだけじゃないからねぇ…?」
「はいはい、わかったよ」
恨み言のように呟くマキノに適当な返事をした。わかってない〜!と愚図るデカい子供を引き剥がす。
「保泉ちゃんが抱かせてくれたら落ち着くかも」
「この貞操帯が、俺の気持ちです」
「こんな最悪な断られ方初めてだよぉ」
今日はマキノの誕生日を祝うために来たのだが、思わぬ収穫にほくそ笑む。卒業するまでずっとこのネタで弄り倒そうと心に決めた。
泣きべそをかくマキノを嘲笑う内に辺りはすっかり暗くなり、明日は平日のためそろそろ各々の部屋に帰ろうと解散の空気になる。
別に階層が違うだけで同じ寮だけど、このままずるずる長くいると徹夜してしまいそうな雰囲気があるから…
「今日はありがとねぇ」
「おう」
「誕生日おめでとうございました!また明日な」
名残惜しい様子で玄関先まで引っ付いてきた野郎を引き剥がし、部屋を後にする。
結局俺達がエレベーターに乗るまで、マキノは眩しいほどの笑顔を此方に向けて手を振り続けていた。
………
↓おまけ
貞操確認おじさんに貞操帯を発注する保泉。
「もしもし貞操おじ?ちょっと学園に売ってなくて外から取り寄せたい品があるんですけど」
『急にフレンドリーに呼ぶね、ブランド物でもおねだりするの?でもいいよ、可愛い保泉くんのお願いならおじさん聞いちゃう』
「そういう言い方されるとパパ活みたいでなんか嫌なんですけど…あ、貞操帯をラッピングして送って欲しいんです」
『ぶっ、はははははは!!!!?』
「うるさっ」
『っははははは……ひぃ、貞操守れとは言ったけどぉ…そこまでしないと駄目そう…?くっ、ふはは…』
「は?勘違いすんな。下半身緩い知人に戒めとして贈るためですよ。俺は自力で守れます」
『ああ、そうなの…残念…保泉くん用もラッピングして贈ろうか?』
「ほんとにやめろ」
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