第1章過去編 第1話 聖なる森

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第1章過去編 第1話 聖なる森

 魔法国家レグナ=マリア。すべてが魔法で統治された国家である。湧き水は魔術で不純物ゼロに抑え込み無限の湧き水となっている。また、家庭によっては好きな飲み物に変えることが出来る。例えばオレンジジュースといった具合に。また、移動は至る箇所に引かれた魔導陣を介し行われる。そのため車や馬車といった移動手段は存在しない。  そして中央に聳え立つ巨大な塔、そこは国立魔導図書館(グリモアブール)と呼ばれありとあらゆる魔導書が格納されている。5大魔法(火、水、雷、光、闇)だけではなく禁忌に纏わる書物も数多く集められている。  それらの書物を求め遥々遠方の土地からこの地を訪れる者も数多くいる。その度に関所で真実の魔法にかけ悪しき考えを持ったものは即刻牢獄へ送る次第となっている。そのため国の中は非常に安泰であった。  そんな国の端には貧民街が存在する。そこに孤児を預かる修道院があった。 孤児としてある日引き取られたロレッタ=ルナ=エデノールは澄んだ茶褐色のくりくりした目が可愛らしい少女で持ち前の明るさから即座に孤児院のみんなと仲良くなった。ロレッタは面倒見が良く、料理や家事においては群を抜いていた。そして何より勤勉な性格で魔導の勉強は怠らず日々鍛錬を積んでいた。
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