67人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
本編
くそったれな人生だった。
欲しいものは手に入らなくて、要らないものばかりが降ってきて、夢を見ることすら儘ならなかった。
「あんたはまだ良いほうだ」誰かが言った。
「あたしなんて、」そう自慢げに不幸を語る奴もいた。
何一つ覚えちゃいない。ただ、あんたの言葉だけは耳に残っていた。
「自分の夢は自分で叶えて、初めて自分の夢だって胸張れんだ」
そう笑った顔を、どこかに落としてきてしまったけど。
最初のコメントを投稿しよう!