最終章 風の夢青の永遠(とわ)

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「――一つ、『夢』を見させてもらおう、と思っている」 「夢?」 「いつか、初代源氏の血を引く者が、海を超えて戻って来る。その時に、我ら北条はその人物に、将軍職をお返しする」 「……そんなこと、考える必要がある?」  泰時の言葉を聞いた三浦の方は、不思議そうに尋ね返して来た。 「あなただって、初代将軍の――」 「俺は、北条義時の息子だ」  そうして。  言葉を続けた来た彼女を遮って、泰時はそう言い切る。  三浦の方は、一瞬驚いたような表情になったが、すぐに煌めく海面の方に視線を向けた。 「そう……」  その海は、博多の海へと続いていて。  笑顔で出航する海が、見えるような気がした。
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