ほのめく

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ほのめく

「あれ?パパいっしょにねんねしないの?」 マリとマヤの寝かしつけのため、寝室のドアノブに手を掛けたモモと子供達におやすみを伝え 向かいの部屋のドアノブに手を掛けた俺にそう言ってきたのは、マヤ。 「マヤ!な、何言ってるの⁈」 俺が口を開くよりも先に、慌てたモモは口元に人差し指を立てた。 「やっちゃん疲れてるし、いくら大きなベッドとはいえ流石に4人で寝るのは狭いんじゃないかなと思うよ!」 言いながらモモは困った表情でしゃがみ込み、マヤと同じ目線で説明する。 確かに。 いくらキングサイズのベッドにしたといえど、流石に4人じゃ狭い気がする。 それに俺は誰かと一緒に寝るって事が苦手だ。 一緒のベッドで寝たことがないわけじゃない。 あるけど、一度も熟睡したことがないんだ。 ただただ疲れる。 そんな俺だから 子供といっしょに寝るって事を想像したこともないし、 したとしても、結果は分かりきっている。
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