序章 私と大山椒魚

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序章 私と大山椒魚

私は不甲斐ない社会人六年目の平社員。 毎日、上司にいびられて、同僚には馬鹿にされそれでも必死に生きてきた。 もう、会社も辞めたい。 けど、捨て子で施設育ちだった私には帰る場所がなかった。 会社を辞めたら…暮らしていけない。 今年からボーナスも私だけ出なくなった。 もうヤダ。 毎日が同じ事の繰り返し…家に帰ると携帯のアプリを開いた。 今流行りの転生ものにハマっている。 チートな能力を持つ主人公。 時には村人、時には悪役令嬢、時には魔族。 こんな普通に世界の常識を覆すような事をしてみたいなぁ。 私にはそんな力も知識もないけどね。 けど、きっと異世界に行ける人間なんて限りがあるだろうし、選ばれた人のみが行ける場所みたいだからね。 私には縁もゆかりも無い場所だわ。 異世界に行ったからと言ってみんながみんなチートって訳でも無さそうだし、無駄に期待されて努力するのは違う気がする。
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