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地上の惨禍
神とサタン、天国と地獄の戦争の影響はもちろん
地上にも来ていた。
神が外した雷はほとんどの木々を焼き払い、
飛び散ったサタンの炎は村や城を燃やした。
そしてたまに、負傷した天使や悪魔の血が雨となって降って来るのだった。
この数々の厄災は人々の心に不安を植え付ける。
人々は口々に叫んだ。
「神がお怒りだ、生贄を捧げて鎮めなければ!」
「お終いだ…きっとその内人間は滅ぶんだ」
「誰か、誰かどうにかしてくれ! 死にたくねぇよぉッ!」
その不安は土地土地の権力者に向けられる。
お前が一番力を持ってるんだから、どうにか解決してくれ
という一方的な期待が。
しかし権力や金で厄災が収まるわけではない。
権力者たちも人間だ。
皆怖がって、食料を買い占めて閉じこもってしまった。
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