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私を待っていたもの
「自分がした行いは、必ず自分に返ってくる」
これは私のお母さんの口グセ
私はお母さんと一緒に
小さな小さな島で
2人だけで幸せな暮らしをしていたの
だけど病弱だったお母さんは
病気で亡くなってしまった
悲しくて、悲しくて
寂しくて、寂しくて
何度も、何度も、泣いた
泣きつくし、涙は枯れ
天涯孤独となった私は
その孤独を埋める為に
旅に出ることにしたの
いつしか父と作った舟を引っ張り出し
荷袋にありったけの食べ物と寝具
母の形見の真珠角のペンダントを
詰め込んで海に出た
キラキラと光を反射する水面には
黄金の目と角を持つ
黒鬼の少女が映っている
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