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その夜は嵐になった、外でもビル内でも。
俺と父はいつものよう、PCの画面とにらめっこしていたから、鉄柵付の小窓に叩きつける暴風の音で通過中の台風××号を感じていた。
もっとも死神みてぇな顔でC言語ばっか眺めてる親父が、外の様子を気にしていたかどうかは知りようもないが。
「おいタク、お前のヨメ見つかったみてぇだぞ、社長んトコ行って来いや!」
そんな時間を過ごしていると突然、自分達では開けられないドアが勢いよく開けられ、護衛兼見張り番のゴツいオッサンが父にがなり立てた。
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