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ドールの反応? それって、私次第でどうにかなる事じゃない。
せっかく1勝したのに、3回戦は運を天に任せなくてはいけないなんて。
どうしても勝たないといけないのに、悔しい!
私がショックを受けている間に、加藤様が私の腕に注射を打った。
しまった。注射を打たれる前に、加藤様に勝つためのヒントがあるか聞くべきだった。
加藤様は人間ドールとドールの関係に詳しいはず。少しでもヒントをもらえたら勝てる可能性が高まったのに。
もう顔も硬直して動かす事ができない。
考えろ、私!
どうしたら1番にドールに反応させる事が出来る?
「3回戦スタート!」
谷山さんが声を張り上げ、ゲームが始まった。早く考えないと、負けてしまう。
2回戦は、怒りや恥ずかしさに集中して、心の中で必死に抵抗したら体温が上がった。
もしかして、ドールに私の感情が伝わり反応をするなら、強い感情を伝えた方がいいはず。
「アニ、勝つためだ。我慢しなさい」
加藤様が私の耳元で囁き、私の足を触り始めた。
加藤様は何をするつもりなの? そう思った瞬間、足の指の裏にするどい痛みが走った。
痛い!
こんなに痛いのに、口を動かす事が出来ない。
痛い、痛い、加藤様は何をしたの?
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