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雪さんや花音さんには可哀想だけど、4回戦は私は出なくて良い事が嬉しい。
4回戦が始まる前の20分間、加藤様は上機嫌で私の手を握っている。
「加藤様、身体の硬直も解いてもらえますか?」
わざと甘えた声で加藤様に懇願した。
「身体の硬直は、ゲームが全て終わってから解いてやろう。アニは雪と花音、どちらが勝つと思う?」
すぐにでも解いてほしかったけど、今は逆らわない方が良い。
「雪さんの方が意思が強そうなので、雪さんが勝つと思います」
雪さんや花音さんに聞こえない様に小声で答えた。
「そうか。私もそう思う。ゲームの結果が楽しみだな」
加藤様が愉快そうに笑っている。
ゲームに負ける事は永遠に人間ドールにされる事を意味する。私は笑うことなんて出来ない。
「まもなく4回戦が始まります。4回戦はドールが痛い思いをした時の人間ドールの反応を見たいと思います。3回戦と同じ様に道具を使うことも、手を使うことも可能です。最初に反応した人間ドールを勝ちとします」
2回戦で、ドールの服を脱がされるのが恥ずかしくて体温が上がった。ドールに傷をつけられたら、きっとドールの痛みを自分の痛みと感じて、身体が反応するのだろう。
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