三人寄れば文殊の知恵

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 三人はこの場所に集まっては、何をするでもなく夜になると習慣の様に自然にやって来ては各々のやりたい事をするだけであった。  ただ、何時もやる事も無く時折やってくる警官に見つからないように隠れながら集まっては、お菓子を食べたり学校でつまらなかった出来事の愚痴を続けるだけであった。 「なぁ、にじゅう。眼鏡。俺、今日これ持って来たんだけど」  バイクを持ち出した事が見つかり御咎めを受け、再びする事の無くなっていた三人だったが、にじゅうと眼鏡と言うあだ名の二人に語りかけたのは、何時も少し離れた場所に居るだけの伏し目がちの男子であった。 「カイジンが何か持ってくるなんて珍しいな。ちょっと中断な、後で続きやるぜ眼鏡」  スマホゲームを消すと、明かりの取れるが何時の真下に居たカイジンと呼ばれる男子に誘われそちらに向かうと、何を持っているのかすぐに解った。 「釣竿か。それって使えるのか?大体、夜中に釣り何て見にくいだけじゃねぇか」 「ちょっと待って。夜釣りって言うのが有ったと思う。調べてみようか」  にじゅうに促され眼鏡はスマホを取り出し夜釣りを検索すると、今まで興味もなったが沢山のサイトや動画が画面上に現れた。どれを見れば良いのか解らないまま、取りあえず一番上に有った動画を開いてみる事にした。
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