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「それは何? 監禁してるって事?」
「監禁?」
俺はそう言って鼻で笑った。
唱馬だってバカではない。
俺からさくらを奪い取るために、何かしら対策を練ってきている事は分かっている。
監禁か…
俺はその考えに、逆に、感心していた。
「監禁って、一方的に閉じ込める事を言うんだろ?
残念ながら一方的じゃない。
合意があって、俺の家にいる」
「何で慈恩の家にいるの?
それを第三者は監禁って言うんだよ。
そして、それを問いただせば、男の方は必ず合意の上でって言う。
合意の上かどうかは、女性の方の話を聞かなきゃ納得できない。
そうじゃない?」
俺は前のめりになって畳みかけるように話す唱馬を、涼しい目をして見ていた。
唱馬の言う事はもっともだけど。
「俺は監禁なんてしてないよ。
俺の家からちゃんと仕事にも行くし、今日なんて、寮に自分の着替えを取りに行って、その後、買い物をして俺の家に帰るって言ってたくらいだし。
夕飯を作って待ってるからお仕事頑張ってくださいねって、送り出された」
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