47、バレー男子とは

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アップを行う為に、コートに入ってきた彼。 サングラス越しなのに、不機嫌そうなのが手に取るように分かる。 「アイツ、あんな嫉妬深いヤツだったんだな。手でも振ってやってよ」 「いやー、そんな事した事ないので」 「そうなの?」 「はい。ま、大丈夫ですよ。試合が始まれば忘れますから」 「でも、きっとヤキモキしてるぞアイツ。軽くでいいからさ」 「えー」 仕方なく、ホント仕方なく、のりくんに手を振る。 これ、マジで恥ずかしいんだけど。 そしたら、手を振り返してくる。 やっぱマジで恥ずかしい。 「ほら、やっぱり手を振って正解だったな」 そう言いながら笑っている森本さん。 ほんと、バレーやってる人って、ドエスしかいないの? 森本さんに揶揄われながら、アップをしているのりくんと淡路さんを観察する。 二人とも不調は無さそうだし、むしろ昨日より調子が良さそうにみえる。 試合が始まれば、のりくんはいつものように、プレーに集中していて、淡路さんの指示を見逃さないように、動きに注視している。 淡路さんは、のりくんの良い所を引き出そうと、彼のプレースタイルに合わせるようにボールを運んでいる気がする。 驚くほどスムーズに点を重ね、タイムアウトを使う間もなく、試合は勝利をおさめた。
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