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テスト前夜の特別教室
「ねぇねぇ、明日ね英語のスピーチがあるんだけど……」
そう私の妹、瑠奈がドアからひょっこりと顔を出した。
一方、私、莉奈はよりによって今か、と深くため息を付いた。
私達、姉妹は同じ中間一貫校に通っていて、姉である私は高校一年生で妹の瑠奈は中学一年生だ。
今は三月、学生にとっては荷が重い、学期末テストの時期だ。
そしてついに、私達の学校もついに前日まで来てしまったのだ。
現在は夜九時、その状況で私に質問してきたのか、できればもっと早めに質問してほしかったと願わんばかりだ。
「英語のスピーチ聞いてればいいの?」
そう私が言うと、妹はコクリとうなずいた。
「お母さんとかはどうだったの?」
「今はそんな暇はないって断られた」
……絶対それめんどくさいから断ったでしょ。
まぁ、仕方ない。
私もめんどくさいけど、少しアドバイスとかして手短に終わらすか。
この判断がいけなかったのかもしれない。
この後、私は地獄を見ることに――。
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