テスト前夜の特別教室

1/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

テスト前夜の特別教室

「ねぇねぇ、明日ね英語のスピーチがあるんだけど……」  そう私の妹、瑠奈(るな)がドアからひょっこりと顔を出した。  一方、私、莉奈(りな)はよりによって今か、と深くため息を付いた。  私達、姉妹は同じ中間一貫校に通っていて、姉である私は高校一年生で妹の瑠奈は中学一年生だ。  今は三月、学生にとっては荷が重い、学期末テストの時期だ。  そしてついに、私達の学校もついに前日まで来てしまったのだ。  現在は夜九時、その状況で私に質問してきたのか、できればもっと早めに質問してほしかったと願わんばかりだ。 「英語のスピーチ聞いてればいいの?」  そう私が言うと、妹はコクリとうなずいた。 「お母さんとかはどうだったの?」 「今はそんな暇はないって断られた」  ……絶対それめんどくさいから断ったでしょ。  まぁ、仕方ない。  私もめんどくさいけど、少しアドバイスとかして手短に終わらすか。  この判断がいけなかったのかもしれない。  この後、私は地獄を見ることに――。  
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!