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プロローグ
田中 豹は24歳という若さで亡くなった。いや、殺害された。
真っ暗な世界が広がる
痛い
苦しい
一瞬で殺してくれ
その苦しみはまさに地獄だった
すると光がその真っ暗な世界に広がる、辺り一面は白?いや、光に包まれていた
「おい。」
頭上から声が聞こえる、顔を上げると自分より何百倍、いや何千倍ものある人が豹を見下ろしていた
この空間に来てから痛みが消え冷静な判断ができるようになってきた…
「俺は死んだんですね」
大きな人に声をかけるわけでもなく、ただただ1人で言葉を発していく、今までの人生について
「お主は殺されたことに関しては何にも言わないんじゃな」
「まぁね…苦しかったけど…恨んだところでどうでもないでしょ?」
「そうかガハハ!!お主のようなやつは初めてじゃよ!!お主よ、名は確か豹と言ったな!良ければワシの世界へ転生してみぬか?」
「転生…あのライトノベルのような?」
「まぁ、そんな感じじゃな」
こうして俺は神と名乗るおじいさんの誘いに乗り転生した
「ふぁ〜」
前世か…今世の俺の名前はルシエル・アルフィン。アルフィン帝国の第7王子として転生した。しかし俺は今王宮ではなく、西の端の離宮にいる。
それは…俺の母が平民だったからだ
平民である俺の母は王の第三側室となった
そんな母は身分の高い正妻や他の側室達とあまり仲が良くなかったため離宮に住むことになった
そして母は俺を生み死んだ
死んだことによって俺は親の愛情を受けられず暴虐に、癇癪持ちの豚体型となってしまい、女官やメイド、執事、騎士に見放され、辞められ、挙句の果てには俺に注ぎ込まれている生活費を欲の塊共が横領するという…そして遊びに出かける彼ら
そして今日最後の1人であったマリオに出ていかれた
いつも走ってやってくる彼女が今日は来なく、大広間に行くといつも食事をとっている長机には湯気を立たせたご飯と手紙が置かれていた
そこには涙の跡。そして出ていった理由が書かれてあった
そう。一人ぼっちになった
だが、前世を思い出した俺にとってはどうだっていい事だ
それに俺にだって生活魔法は使えるし、前世では恋人はいたが、基本料理などは自分で作っていたからな、そしてこの離宮は生活費とは別に週に1度大量の食材が送られてくる
そして俺が今行っていることは痩せて、勉強をすること。体力を付けることだ。
ここは離宮だが、環境としてはとてもいい、誰もいないためゆっくりと過ごせて、庭は広いため1人で独占。しかもこの世界は魔法が使える、魔力の循環をしていたら10キロを全速力で走ったぐらいの負荷がかかるため直ぐに痩せることが出来る
現に146cm78キロあった今はに1週間で71キロまで落ちた
それにしても…8歳児が80キロ近くなんて…やばいよな…
ついでに母はエルフ族だ
つまり俺はハーフエルフで耳が長く痩せれば容姿がいいと思われる
母親譲りのシルバーグレーの髪色。王族特有のアウイナイトのような瞳。睫毛は長く、今は顔が豚のようなため分からないがぱっちり二重で目は大きいが少し切れ長で美しい瞳だし、肌はキメ細やかな白色だ
さてどんな変化を遂げるのか楽しみだ
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