144人が本棚に入れています
本棚に追加
/376ページ
五分後、美代さんは店から出てきて私に会釈をしてから、来た道を戻って行く。ぽかんと突っ立っている私に、楽しげな姉が「ちょっと中に入ってくれる?」と、促して来た。ほうきとちりとりを手に持ち、中へ入ると、姉が「実は」と、早速話をする。
「美代ちゃんと、田所君、付き合うことになったんやて」
「え!」
思ってもいない、ハッピ一な報告は衝撃的だった。あの後、ラインをやりとりするようになり、田所さんから告白したそうだ。
「良かった。ホッとしたわぁ」
我が身のように、喜ぶ姉。話によると美代さんは急に仕事が休みになったから、またこちらへやってきて、昨日は前回と同じ宿に宿泊したと言う。今日は田所さんは仕事。
最初のコメントを投稿しよう!