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恋人の白い肌が好きだ。
すべすべと手触りのいい肩のあたりがほんの少し冷たいのに気づいて、そっとブランケットを引き上げる。
その額からもう汗は引いていて、彼の黒曜石のような瞳は閉じられた瞼の奥に隠されている。
ちょっと長い出張のあとで、「サプラーイズ!」といきなり部屋のチャイムを鳴らした僕に、君は本気で怒ってた。
「もし出かけてたらどうする気だったの!
帰るの遅くなってたら!」
「夜まで待って会えなかったら、明日また来ようと思ってた」
えへへっと笑ってそう言ったのに、「バカなの?冬だよ!」と真顔で返されて、ちょっと怖かった。ゴメンナサイ……。
でもさ、早く会いたかったんだよ君に。すごくすごく会いたかった。
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