11人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
冒険者とは!?
「あら今日の紅茶はどこかしらリーエ・・・ちょっと風味が違う様な気がしますわ?」
「流石はマリアお嬢様です。ディスキンス様が取り寄せてくれたヘルザーム国産の物ですね・・・」
そう恭しく頭を下げて来る自分の侍女に元ジオック王国だったわね・・・?と金髪縦ロールの美少女が腕を組みだすと、左様でございます。と傍に付いていたメイド服の侍女がテーブルに置かれたティーカップへ紅茶を注ぎだす。
「そう言えば・・・ジオック産のコーヒーが美味しいと聞きましたが・・・どうにか手に入らないかしらね?」
「それはディスキンス様に聞いてみないと分かりませんね・・・」
そう苦笑いを浮かべるリーエにまだやってますの?とマリアが呆れた顔でここブルーハート商会のカウンターで約数十分程言い争っている後輩とこの店の店主を見ながらハァ・・と溜息をつきだす・・・
~~~
「何で何で何で弟子にしてくれないんですかディスキンスさんっ!?」
「ダメダメダメと言ったら絶対にダメです。いくら孫娘のアンナからの紹介とは言えアルケミストなんて言う扱いが危険な魔法なんて教える訳にいきません。」
そう言いながら絶対にダメ!と両腕でバツ印を作って来るディスキンスに向かってソフィーはアンナ先輩の言う通りホント頑固ですねっ!と今日で何日経ったかもわからない弟子攻防戦にムゥ~と頬を膨らませていると、今日もやっているの?と布に包んだ薙刀を背中に背負った制服姿のミユキがカランコロンとカウベルを鳴らしながらブルーハート商店へと入って来る。
「いい所に来たっ!私がどれだけ頑張ってるかミユキからもディスキンスさんに言って上げてよっ!」
「そんな事急に言われてもね・・・まあアレだけ授業中に居眠りしているのに学年で成績上位なのは凄いんじゃない?」
そう呆れた声を上げて来るミユキにほらっ♪と自慢げにソフィーがドヤ顔になると、ディスキンスからそれでは学生として本末転倒じゃ無いですか!?と頭を抱えられてしまう・・・
「良いかいソフィー?君はまだ学生だし魔法の才能も有る。アルケミストなんてやめて魔法薬剤師にでもなった方が懸命だよ?」
「それはそれで将来の為に勉強してますがっ・・・私が本当になりたいのは祖父の様な偉大な鍛冶師なんですっ!」
全く譲る気が無くフンス!と鼻息を荒くするソフィーにまったく・・・とディスキンスから呆れた声が聞こえて来る。
「君は本当に頑固なホワイトの奴にそっくりだな?」
「それはお褒め頂き嬉しいですねっ・・・」
そう平行線を辿る二人にハイハイそこまでですわ・・・と流石に耐えかねたマリアが間を割って入って来る。
最初のコメントを投稿しよう!