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『プログラム5ばーん!ワクワク?ドキドキ?障害物きょーそーう!!(ほんとに最悪…)』
"キャー!!"とか、
"ウォォォォォ!"とか、
"オラァァァァァ!!"とか、
意味のわからない雄叫びのようなものを上げる生徒達。
みの先輩の心の声が最後の方に聞こえたような気がするが気にしない…ことにしようと思う!うん、俺は気にしない!
短距離走の後、割とスムーズ、いやスムーズだと思いたいがスムーズだとは言えないプログラムがここで1度停滞。
グラウンドを見るが、至って普通の障害物競走のセッティングがされている。
となると、競技の参加者に何かがあるということだけは俺にも分かる。
イケメンな先輩、人気のある生徒等が出場する度に歓声が上がっていた。
その中には問題児なのかはよく分からないが目立つ先輩方4名が入っている。
え、もしかして皆様誰がどの競技に出るかとか、把握済みですか?
こわっ。
どこからその情報取り入れてるんだよ。
参加者達が並んだまま駆け足で入場してくると歓声、いや雄叫びはさらに大きくなった。
「みんなやっほー」
「やめとけ万李」
「なぁ、なんで2人してそんなに呑気なんや?」
「あぁ、終わった…」
ここに来て先輩方4人登場。
そりゃ急にうるさくなるわな。
いつも通りヘラヘラ顔の万李先輩。
それにツッコム海里先輩。
そんないつも通り2人に疑問を抱くみの先輩。
まるでこの世の終わりかのような顔をなすっているたか先輩。
とりあえずたか先輩の顔色を見る限りこの競技はまともでは無いことが分かった。
みの先輩の顔もよくよく観ると強ばってるし、万李先輩に至ってはヘラヘラ顔をしているが口調がいつもよりもダラ~っとしていない。なんなら棒読みに近い…目に生気もないように見える…
海里先輩は万李先輩が喋っているのを止めてるし、万李先輩に隠れるようにコソコソしながら入場。
いや、何してもあなた達は見つかりますよ。海里先輩、その高い身長をどれだけ腰を曲げて縮めていても顔面が輝いている限り無理です。
「お、おみ」
「ど、どうした璃斗!」
「あのでかい箱みたいなの…なんか怪しいよな?」
吏人が指さす方向を見る。
するとあらまぁ、長方形の大きな箱が設置されているではありませんか。
何やらカーテンのようなものがついているも見えます。
これはまるで…
「これって…」
「「試着室…」」
『生徒の皆さん。今年の障害物競走は例年同様放送部より特別アンケートを取り、希望の多かったコスプ…失礼しました。仮装を競技参加者の皆様にして頂きゴールしてもらうものとします。今年も人気ある生徒の方々がたまたま多く参加なされています。是非お楽しみになさってください。』
『『『以上放送部でしたー!』』』
放送部の皆さん、みんないい笑顔してるわ
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