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prologue
「ママこれ消えないねぇ……」
愛おしい、綺麗な瞳で私の顔を覗き込む
その言葉に嘘偽りのない笑顔を私に向ける
「えっ!?」
「ママの背中のお絵描きっ」
背中を撫でる小さな手は
一瞬で温かささえもつたわる
その無邪気な声に返す言葉を見つけられずにいた
「でもこのお花、綺麗ねぇ~」
そう再び私の顔を覗き込んだ娘を
思いきり抱き締めた
背中に描かれた花
私の背負い続けているもの
ーーートルコキキョウーーー
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