AD恐怖体験テレビの内側はもっと怖い世界

はじめに

ぼくはフリーランスのAD（アシスタント・ディレクター）である。ADとはディレクター、つまりテレビ番組を作る際の現場監督の補佐（ASSISTANT・アシスタント）として動く役回りである。ぼくはこんな仕事を十年以上も続けている。

十年以上奴隷も同然のADを続けてきたぼくは超が付くほどのベテランADとして各テレビ局、各テレビ番組制作会社から重宝がられている。フリーランスと言う立場故にフットワークが軽くテレビ番組と呼べるものは何でもやってきた。
報道ニュース、スポーツニュース、ワイドショー、ドラマ、バラエティ、クイズ、教育、環境、映画撮影……　最近では時流に合わせてYouTuberの動画撮影スタッフも担当しているぐらいだ。

こうして多種多様な番組を担当していると、怖い話も一つや二つじゃ済まない。科学で説明のつかない怪奇現象や、怪奇よりも怖い人間に会うのも珍しい話じゃない。
今回はこの中から選りすぐりの怖い話をしようと思う。