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「なるべく早く来てよ」
「分かってるって」
瑞樹は田中さんを玄関から押し出して鍵を閉めた。
「今日からまたよろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
瑞樹は私を目一杯抱きしめた後、愛おしそうな顔をして優しくキスをした。
柔らかい唇が私を幸せの世界に誘い出すように動いていく。
愛されているという実感に包まれながら私は瑞樹のキスを受け入れていく。
何度もキスをして、別れ難そうに瑞樹はキスを止めた。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
私がほっぺにキスをしてぎゅっと抱きしめると瑞樹は私をぎゅっと抱きしめて頭にキスをした。
「もう一生離さない。何度だって千佳を見つけ出してやる」
何度離れようと私は瑞樹に拾われるらしい。
いや、私が拾うのか?
違う。
私達は何度でも出会うんだ。
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