6-2話

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それは確認の体でいて確定の響きを持っていた。 まるで私が頷くことを疑いもしないように。 「……少し、考えさせて」 「……え?」 だからこそ私の返事を聞いた浩一は、大袈裟な程の驚きをあらわにした。 「それって、どういうこと?」 「……そのままの意味だよ。そんな簡単にお義母さんたちとの同居は決められない」 私がこんなことを言い出すなんて、思いもしなかったのだろう。当然いつものように文句なく言うことを聞くものだと考えていたのが見て取れる。 その証拠に、驚愕を浮かべていた浩一の表情は見る見るうちに不機嫌になっていった。
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