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プロローグ
そこ逝く旅のお方、ちょいと待ってくださいな。
川を渡れば、二度とこちらには戻れません。
その前に、ここらで一服しませんか。
お代は結構、それは船頭さんに渡してください。
代わりに、旅人さんの話を聞かせてくださいな。
何を見て、何を聴き、何を想い、何をしたのか。
その全てを私に教えてください。
ここは喫茶「微睡」
当店が出すのは、至高の一杯。
貴方の旅に合わせてお出しするそれは、
きっとあなたを次の旅へ送り出します。
どうぞ、最期のひとときをごゆるりと―
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