番外編

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俺は相変わらずペーパードライバーで、今回も先輩に運転してもらい、地元に帰ってきた。 ただ今回の帰省は、前回とは少し違う。 前に先輩と一緒に帰省した時は、実家の近くまで車で送ってもらったものの、その後はそれぞれ自分の実家で過ごしていたので、実質別行動だった。 でも、今回はーー お互いの実家にも、顔を出すことになっている。 いや、ただ顔を出すだけならいいのだがーー俺達が真剣に付き合っていることを、互いの家族に話す予定なのだ。 さすがに数日前から緊張しっ放しの状態。 しかし、車は予定通りの時刻に地元に到着。 そして、そのまま真っ直ぐ先輩の家へとやって来た。 「ただいまー」 先輩が玄関を開けると、奥から先輩のお母さんが出てきた。 「お帰り、之隆。志衣君もこんにちは。久し振りね」 「こ、こんにちは。お邪魔します」 先輩のお母さんに会うのは、高校生の時振り。 あの頃はよく先輩の家に遊びに来ていたから、お母さんとも顔を合わせていたのだ。 もちろん、先輩と付き合っていたことはあの頃は内緒にしていたけれど……。 先輩のお母さんは、あの頃から良い意味で変わっていなくて、明るくて優しそうな人だ。外見も、相変わらず美人で綺麗だ。
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