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「俺だって時にはしぃに甘えたい」
「あ、う……」
首をこてん、と傾げて僕に覆いかぶさってきた。なんか、狼を手懐けたうさぎの気持ちになった。
「だから今日はあーんを頼む」
「あーん?」
びーさんは僕が持ち寄ったビュッフェのプリンをスプーンのおしりで撫でながら。
「食べさせてくれ。腕が疲れて上がらない」
え。さっきまでもぐもぐお箸使ってましたよね? 気怠いですモードに入ってしまったびーさん。びーさんなりの甘え方なのかな。
「わかった」
恐る恐るびーさんの口元にスプーンを近づける。
「あ」
紅い舌が見えた。ぱく、とプリンを食べる。小鳥の餌付けみたいだ。
何度かそれを繰り返してから、びーさんは満足そうに僕を見た。
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