転校生がやってきた

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転校生がやってきた

かつ、かつ、と歩く音。 がら、がら、とドアの開く音。 がや、がや、と皆の騒ぐ音。 とん、とん、と先生が書類をまとめる音。 「今日からこのクラスに入る、久野野々華(くのののか)さんだ!」 先生が言葉を発すると皆が「久野さん?」や「野々華?いい名前〜」などと呟き始める。すると先生の隣でシュンとしていた女の子が声を張り上げて言う。 「久野野々華(くのののか)といいます。前は福岡県に住んでいました。慣れない不届きものですが、よろしくお願いします」 隣の席から、「やべー!声も顔もかわえー!!さっすが福岡美人!!」という、友達の“三野武(みのたけ)”の五月蝿い声が聞こえる。 (というか、福岡から此処──滋賀ってまあまあ遠くないか?) すると先生がパン、パン、と手を叩き言った。 「じゃあ、久野さんにはそこの席に座ってもらおうか」 そう言い先生は僕の後ろの空いていた席を指差した。 皆の顔が強張る。だが久野さんは迷わず向かってくる。とりあえず皆視線を向けていた。
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