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「いいじゃないですか。ほら、風紀委員長サマが貸しを作っても、とまで言っているのですから」
コイツ……どれだけ五十嵐のことが嫌いなんだ。貸しを作れると分かった瞬間ニヤリとしたぞ。今もニヤニヤ笑っている結を憎たらしそうに睨みつけている。
「……わーったよ。話をつけておく。だが、承諾されるかどうかまでは知らねぇぞ」
「分かっている……」
生徒会に貸しを作ったからか、心做しかしょぼんとしているように見える。……決して意外と可愛いな、なんて思っていない。来た時とは真逆にドヨーンという効果音を背後に、鈴宮と一緒に帰っていった。
「あのクソ野郎に貸しを作れました。よし」
「そこまで嫌いじゃないって言っていなかったー?」
「最近色々あったでしょう?それより潤、理事長に連絡を」
そんなこと言われるまでもなく、スマホに電源をつけた。
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