プロローグ

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プロローグ

ずいぶんと長い眠りだった気がする。夏奈(かな)は目覚めた。白い天井と、薄桃色のカーテンが見える。身体を起こしてみる。時計の針は2時を過ぎた頃だ。 「ここは……」 夏奈は呟く。 「目が覚めたみたいだね」 ふいに男性の声がした。カーテンが開く。現れたのは背の高い、黒髪の男性だ。20代後半といったところか。 「驚かせてごめんね。僕は、遠藤学(えんどうまなぶ)って言うんだ。ここではみんな、僕のことを園長って呼んでるかな」 夏奈は混乱した。この人は一体誰?ここはどこなのだろう?遠藤は再び話し始めた。 「ごめんごめん、まずは今の状況と、ここがどんな所かを説明しないとね。ここは、サクラ学園っていう、うーん、学校みたいな所かな。生徒数は100人ちょい。この学園は、普通の学校と似たような生活をするんだけど、違うのはね、 ここは、感情の一部が欠落したり、理解できなくなった子達が集まる場所なんだ」
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