我らは滑稽

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「やったか……!?」  破壊さんの後ろにいたおかげで何とかなった。真っ白な煙が周囲を埋め尽くし、状況が見えない。  煙が少しずつ薄くなっていく。勇者側はどうなった?  ようやく、視界が明瞭になる。  そして、その場の誰もが言葉を失った。  魔王様は多少の傷を負ったものの、無事に立っていた。残念ながらマスクは吹き飛ばされてしまったようだが、それはまあ仕方ないだろう。  問題は勇者だ。勇者も手負いになっているものの、剣を杖代わりにして立っている。  ただ、それは俺たちの知っている勇者ではなかった。  ――勇者の頭も、鶏になっていた。
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