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プロローグ
身体の震えが止まらない。
お風呂でしっかり温まったはずなのに。
湯冷めしないように、エアコンで部屋を暖めておいたのに。
病院で色んな機械に繋がれて眠る、姉の血の気のない横顔を思い出すだけで、寒気がしてくる。
どうにか身体の震えを止めようと、明日香はきつく膝を抱えた。
姉の今日香が意識不明の重体になった。
理由はわからない。
昨日はリハビリ頑張らなくちゃ、って笑顔で言ってたのに。
どうしよう。
お姉ちゃんが目を覚まさなかったらどうしよう。
自分どう頑張っても敵わないお姉ちゃんが、正直疎ましい時もあったけれど。
……だけど、二度と会えなくなるなんて、絶対に嫌だ!
そう明日香が強く思った時、スマホが点滅した。
画面いっぱいに表示されていたのは、謎のメッセージ。
『姉を救いたくば、汝、“クロノス”で騎士となれ』
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