2 穂波(中二)の場合

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2 穂波(中二)の場合

 クラス替えの発表を見たとき、思わず目を疑った。一年の時の仲良しだったメンバーは二組と四組に分かれた中、私だけが三組になってしまったのだ。 「まぁ休み時間とかに会えるしさ、落ち込むなって!」 「みんなは話し相手がいるからでしょ。どうしたらいいんだよ〜。お昼とかぼっちになっちゃうよ〜」 「じゃあうちのクラスに来て食べる?」  そんな会話をしている間に、始業のチャイムが鳴る。みんなはそれぞれのクラスに戻って行く。だけど私は……。  寂しい気持ちのまま教室に戻ると、いくつかのグループが既に出来ていて、そこへ入っていく勇気はなかった。  私と同じように話し相手がいない子だっている。でもその子たちと席が離れているし、休み時間はトイレに行ったり他クラスの子と喋って終わっちゃうし……結局どうしたらいいんだろう。  黙ったまま席に座って、教科書を机に並べる。  私、大丈夫かなぁ。ちゃんと友達出来るのかな……。  先生がクラスに入ってきて授業を始めると、どこかホッとする自分がいた。だって授業中は話さなくてもいいから。黙って先生の話を聞いていればいいだけのこと。  あーあ、一年の時は楽しかったな……またあの頃に戻りたいよ……。
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