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「別に告白されたからとか、いま付き合うからと言って将来のことは別だから。樹里は気楽に美味しいもの食べようとか、いつも行かないところへ行こうってだけでいいのよ。楽しめるなら続くでしょうし、そうでもなければお別れすればいいのよ。まだ人生のたった¼だよ…樹里が生きてきたのは」
難しい顔をする3人と私に、真澄ちゃんがケラケラと明るく言う。
「¼…96歳まで生きるの?そこまではいらないなぁ…」
「樹里は本当に真面目なのか、ただバカなのかわからないわ。そこで計算する?」
「真矢は計算しないで、まだ若いんだなぁって思うタイプで樹里は計算するタイプ。それぞれに合う男がいると思うよ」
「陸斗の言う通り。そんなの付き合ってみないとわからないんだから遊べばいいのよ。樹里は大学生の時、ターシャのことばかりで遊んでいないもの。たくさん人に会わないと」
1月に真澄ちゃんたちとそういう話をして、輔も家族に会いたいとは言わないから誰とも会わないままだ。
「で、双子って?」
「…」
改めて聞かれて何を言えばいいのだろう。
「…すごく似てるけどそっくりではない、二卵性だって。お店で見たことのある人」
「客?」
「わからないの。お客様だと思っていたけどJOYで働いているって言ったの」
二郎さんに答えると真矢が眉を潜めた。
「社長から聞いていなかったの?双子の兄も一緒に働いているとか」
「全く知らない。双子の存在だって今日初めて知ったもの」
「でも以前から買い物に来ていた?」
「うん」
「JOYの社長の兄が?」
「…そういうことになるね」
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