世界のかけら

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「あれって何だったんだろうね」 ウォラーレはあたしの家でもぐもぐとパンを頬張っている。 図太い。 「何って、世界を破壊しかけた災厄でしょ?そんな感じじゃなかったけど。顔だけ見たらアートルムの方が大悪人に見える」 あたしは正直、疑っている。 復活したウェントゥスさえもイデアの罠でないとは言い切れない。 「あはは、そうだね。僕もわかんないや。でも今日は助けられたんだよね」 「一応ね」 お人好しで間が抜けたウォラーレが世界の形を変えてしまうことだってあり得るのだと、あたしは今日改めて自分に言い聞かせた。 決して油断せず、あたしはあたしで、ウォラーレはウォラーレのままでいられるように。 今はこのまま、少しだけ時が止まればいいと思った。 【完】 ad82963b-175f-4c5d-a284-98143ddccbce
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