第一章 共通思考。あるいはテレパス

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 江藤に殴りかかるその姿は、さながら獲物に襲いかかる獰猛な豹のようであった。 「……りく……」  海は重い身体を起こして、その背中にすがりついた。  だが陸は、海の存在に気付きもせず、怒りを全身にみなぎらせて江藤を容赦なく殴りつけていた。 「てめっ……! よくも海を! ぶっ殺してやる!!」 「やめろ……陸……」  江藤はすでに血まみれになっている。 「やめろ陸っ……もうやめろっ……死なす気か……!」  海は陸の腕にぎゅうと抱きついた。  はっとすると、陸はとっさに海を抱き寄せた。 「だって……おまえ……」  きつく抱きしめる。 「こんなにまでされて……」
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