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思い
今日はクリスマスイブ
一年のうちで
一番忙しいかもしれない
幸せそうな恋人たち
家族
それぞれの
想いを込めて
花花を着飾っていく
あれから
姉のメールが1通あり
母の近況を知った
人を雇いながらも
店は細々とやっているらしい
田舎の花屋だから
この店のような
華やかな注文は少ないが
一人で営むには
ちょっと大変だろう
今年は
姉と一緒に帰ろうかな
可憐な花を
扱うようになると
心にも
余裕が生まれ
前みたいな頑固さは
なくなってきた
お爺さんの優しい笑顔を
見たせいだろうか
母を慈しむ想いが
生まれていた
声が出ない今が
逢うには
いいのかもしれない
頭の中で
言葉を反芻し
想いに近い言葉を
文字にすることが
できる気がする
ひとつひとつの花に
想いを寄せて
声の代わりに
笑顔で感謝を
伝える
母にも花束を
わたしの想いを
贈りたい
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