42/67
39人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「親父から聞いたからな」 「でも、おじさんと修と私で、ふつうに入れたよね」 「なんとか頼み込んだんだろ。息子の行儀を直したくて必死なんだ」 「おじさん、すごく楽しみにしてるみたいだったし」 「息子の行儀を直せるって、喜んでたんじゃね?」 忌々しげに言うぐらいなら、努力を怠るな。 ご両親の心痛を察して辛い。 「行儀更生プログラムっつって、出来ないやつを見下して、いい気になってんだ、くそっ」 「ううん、修以外のお茶席は…。ごめん。そうそう、結構厳しいよね」 季節ごと。年に4回露利邸で開かれるお茶会を『お行儀更生プログラム』と思っているのは修だけだ。 本当は、おもてなしに優れたお茶席を楽しむ、とても和やかで幸せな会だよと言いたかったが、『自分だけって分かったらもっと拗ねちゃうから。秘密ね』と、修のお父さんから口止めされていた。 修の言うような家であれば、矛盾が垣間見える。 わざわざ行儀を教える必要もない。 無礼者は来るなと、追い払えばいいだけだ。 「それで、どうして貴雪さんが最低なの?家の話と繋がらないけど」 「家が最低なら、跡継ぎもそうだろ」 「…理由って、それだけ?」
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!