ホワイトムスクの黄昏

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静かな午後。 私は少し微睡んでいた様で、窓から差し込む、暖かな日差しが私を照らしてくれていた。 おっと、いけない。 原稿を仕上げなければ…。 私はスリープモードになってしまっていたパソコンの画面を上げる。 スリープモードならまだ良いが、キーボードのキーを押したまま微睡んでしまう時などは原稿いっぱいに同じ文字が入力されている時もある。 すっきりしない頭を抱えたまま、私は書斎を出て冷蔵庫へと向かう。 向かうと言う程の広い屋敷でもないが、冷蔵庫へ向かうのも面倒な時もあるのだ。 勢いよく冷蔵庫を開けると、アイスコーヒーのボトルを出し、愛用のグラスに氷を入れたモノに注ぐ。 既にカフェインなんて生易しいモノで私の睡魔に打ち勝つ事など出来ないのだが、とりあえず出来る事はしようという事だ。 グラスを持って書斎に戻ると、またパソコンに向かい、ズレる眼鏡を上げた。
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