第6章. 宿命の激戦

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〜太平洋海戦〜 見上げる空は、異次元空間から現れた数千の敵編隊で埋め尽くされ、北側の海上にも、新たな大型戦艦が出現した。 「弾薬補給と給油を急げ!」 猛スピードでこなしている隊員達。 (間に合わないか…) 「燃料はいい、弾薬の補給に集中を!」 「ロビン❗️」 「ルイス、まだひと暴れはできる。給油中に攻撃を受けたら、最悪だ」 言ってる側から、爆炎が上がる。 「ドドーン💥ドドーン💥」 中国東海艦隊の長春が、炎上した。 「爆撃機か!まずいな…」 「全機発艦❗️飛べるうちに飛び立つんだ」 中国、ロシアも同じ判断を下していた。 「艦長!敵艦にロックされました!敵機も降下態勢です!」 回避しながらの発艦はできない。 (これまでか…) 次の奇跡は、北から、そして海底から訪れた。 「ヅドッドーン💥💥ドドーン💥」 敵ミサイル艦から爆炎が上がり、ロックが解除された。 「バババババ❗️バシュン、ババシュン❗️」 「ドーン💥ババーン💥💥」 降下を始めた敵戦闘機の横から、沢山の見慣れた戦闘機の編隊が現れ、次々と撃墜して行く。 「同志们(またせたな)我让你们久等了(我が同志達よ)❗️」 敵が太平洋に現れると知った時点で、(キム)大統領は、中国北海艦隊に緊急出動をさせていた。 「Прибытие(ロシア) российского(北方艦隊) Северного(到着) флота❗️」 「Точно(同じく) подводный(潜水艦隊) флот прибыл(到着)❗️」 クレール大統領も、決断は早かった。 中国北海艦隊の動きを知り、あらかじめベーリング海で待機させていた、北方艦隊を出動させ、更にはウラジオストク基地から、主力の大潜水艦隊をも、向かわせたのであった。 海底の潜水艦についての知識は、プレアデスには皆無であり、攻撃する術もない。 次々と海底からの攻撃で、沈む敵艦隊。 数百機の援軍に意表を突かれ、混乱する敵編隊。 「中国、ロシアもやるじゃないか。よし、一気に叩き潰そう❗️」 ロビンの声に、隊の士気が上がる。 日本からの海上自衛隊は、沈没した艦や、脱出したパイロットの救護役に徹する。 今まさに、日本、アメリカ、ロシア、中国の全勢力が結集していた。 〜外層圏〜 時空の捻れた巡り合わせ。 時間の領域を超えた運命。 今この時空で対立した両者。 ラブにとっては、かつて父が()べる大銀河帝国と共に破滅したはずの、宿敵プレアデスとの遭遇。 ヴァラント将軍にとっては、プレアデスに寝返り、破滅させたはずの帝国の生存者との遭遇。 破滅の際に、その秘密を知った惑星ステパールのミルヴァ・クラウス皇女。 その彼女が送った使者、ジュビムを追って辿り着いた生命(いのち)の星、地球(テラ)。 壮大で複雑な時を経て、その2つの運命が、今ここで交錯したのである。 「帝国の生存者、それも王位継承者が、こんなところに隠れていたとは、驚いたよ。今こそ、滅びの時、時滅トリノ砲充填❗️」 発射装置が高出力に光り輝く。 「コスモシールド最大出力❗️」 さっきはジュビムの加勢で耐えられたが、今回は、無傷では済まない事は分かっている。 しかし、避ければ太平洋で戦う仲間達が全滅してしまう。 マシンに、自らのコスモエネルギーを全放射する他に、道はない。 覚悟を決めたその時。 「それやったら、終わりよラブ」 声と同時に、目の前の異次元空間から、一体の戦闘型アーマー(人型ロボ)が現れた。 「ここは私に任せて!」 「凛❗️」 「…って、アイ、どうやんの💦」 「凛様のイメージで、双剣を抜いてクロスさせてください」 自分の意識に集中し、アーマーの腰にあるグリップを握り取る。 「フンッ❗️」 気を高め集中した。 「ビシュン!」 赤紫の双剣が現れた。 (なるほど…分かった!) 「撃てー❗️」 「ヴォーウォン…」 最大出力のビーム砲が放たれた。 「凛様、ラブ機のコスモシールドにリンクさせて、シールドを!」 なぜ分かるのかは分からない。 しかし、体と心が自然に動いた。 「ハイパー(無限)シールド❗️」 片脚を一歩踏み出し、紫色(ししょく)の双剣を、コスモシールド内でクロスさせた。 「パァシーン…ビユン❗️」 巨大な光の盾が現れ、アーマーのエンブレムが輝く。 それを見えないビーム砲が直撃した。 「ズビューン…ンンンンン」 吹き飛ばされそうな圧を、懸命に堪える凛。 「クッソーッ❗️」 凛がキレた。 「包力リバース、反射、イッケェー❗️❗️」 光の盾を、渾身の力で押し返した。 盾に遮られ、ループしていたエネルギーが、放たれた場所へと戻っていく。 数十倍の威力となって。 「な、何だと⁉️時空シールド放射❗️」 最大出力のエネルギーを放出した後で、シールド展開が遅れる。 「ドヴァッ…ヅッドウンッ❗️」 艦首が破壊され、3つの砲台が消し飛ぶ。 艦内を何筋かの光の矢が貫き、至る箇所で爆発が起きる。 「ラブ、今だ艦の中へ!」 左に、ラブ機と似た黒い機体がいた。 「ティーク!了解!」 「凛、ありがとう。空戦体型にトランスフォームして、下の奴らを片付けて!」 「收到(了解)!…って、アイ〜💦」 空いた穴から、艦の中へと機を進め、宇宙戦闘用パーツを装着し、途中で飛び降りた3人。 ラブはティークのスパイアイを頼りに艦橋を目指し、T2は監視衛星のスキャンデータを基に、アイの案内で動力部を目指した。 プレアデス星人との激しい肉弾戦が始まった。
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