嫉妬

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「俺にはいくらでも迷惑かけていいよ。家族なんだから」 「……カッコいいこと言うね」 「バカにしてるだろ」 「バカにしてないよ。……本当に、いつもありがとう」 最後に打ち明けたのは、真衣ちゃんだ。 誰よりもリアクションが良く、そして喜んでくれたのは彼女だった。 「店長ー!良かったですね!真衣、感動して泣きそうです」 「そんなに?」 「そんなにです!もう、あんなイケメンをゲットできるなんて一発逆転じゃないですか!人生、何が起きるかわからないものですよね」 興奮しながらそう語る真衣ちゃんに、私は笑いながら相づちを打った。 本当に、人生って何が起きるか予測できないものだ。 山あり谷ありというけれど、それは間違っていないと思う。 2年前まではどん底の谷に落ちていたのに、今は山の頂上にいる気がしているのだから。 「あ、ちなみに今度一ノ瀬さんのお友達紹介して下さいね。イケメンで彼女とかセフレいない人に限りますけど」 「友達かぁ……今度聞いてみるね」 「やった!出会いのチャンス」 正直過ぎる真衣ちゃんが、ある意味羨ましいくらいだ。
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