プロローグ

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プロローグ

あなたとの出会いは、偶然が呼び起こした奇跡だった。 そう。 俺にとっては、奇跡としか言いようがない。 仕事を終えた後、友人との食事の約束のため待ち合わせ場所で待っていたが、友人から一時間遅れると連絡が入った。 「一時間か……結構長いな」 待ち合わせ場所は、駅横のビル。 確か一本裏道に入った所に、本屋があったはずだ。 そこで時間を潰すか。 そう思い、裏道にある本屋を目指して歩き出した。 すると、裏道に入った所でコーヒーの良い香りが鼻をくすぐった。 ビルの一階に構えている、カフェ。 『CAFÉ MOON』と店名が書かれた看板がシックでセンスの良さを感じた。 何より、自分はコーヒーが好きだ。 けれど別に豆にこだわっているわけではなく、普段飲むものはインスタントかコンビニで買うコーヒー。 会社の隣のビルに有名チェーンのカフェがあるため、そこを利用することも多い。 「……入ってみるか」 一時間という微妙に長い時間を潰すにはちょうどいいと感じ、CAFÉ MOONの扉を開けた。
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