スロウダンス

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スロウダンス

あなたの指が僕の指先に触れて、指に触れて、手首に触れて、そして肘に触れて。 そんな風に優しくあなたが僕の心にも触れてくる。 「息をして」と囁かれて初めて、自分が思いきり呼吸を止めていたことに気づく。 言われたように大きく息を吐いて、「なんでいつまでもこんなに恋することに不器用なんだろう」そんなことをちらりと思ったら、かすかにあなたが笑った。 「なんで笑うの?」 「いや」 「ねえ、なんで笑ったの?」 「いや、可愛いなって思って」 「なにそれ?可愛くないからね」 ちょっとむきになる僕を「はいはいわかったから」となだめて、やっぱりあなたは少しだけ笑う。 「わかったからもう黙ってて」
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