スロウダンス

2/5
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
あなたの唇がそっと僕のまぶたに落ちてきて、だから僕はもう、目を閉じることしかできなくなる。 いつもあなたは僕を喋らせる天才で、そして黙らせる天才だよね。 そんな昨夜の出来事を思い出しながらシャワーを浴びて寝室に戻ったら、思いがけずあなたが眠っていた。 僕より先に眠るなんて珍しい。めったにない機会だから少し離れた椅子に腰かけて、あなたを眺める。 たぶんすごく疲れてたんだよね。それなのに帰ってきてすぐに、僕に会いにきてくれてありがとう。 そんな言えなかった言葉を胸の中でつぶやいてみる。それにたぶん……僕がさらに疲れさせてしまったよね。ふふ。それはほんとうにごめんね。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!