やんでる僕らは

ささやかな変化

プレゼントを何にするかここ数週間悩んでいたが、今日は目的のものを買うだけだったのであっという間に終わってしまった。

いつもならここから諏訪達と合流して遊ぶなんてことも考えただろうが、今日は生憎そんな気分にもなれない。

俺は駅前に最近できたばかりのお洒落なカフェに入り、メニューの一番上にあったホットコーヒーを頼んだ。

落ち着かない気持ちの中、窓際のカウンター席に座って外に視線を向ける。
みんな誰かと楽しそうに笑っていて、きっとこれから何処かに出かけるのだろうと思えばまた寂しさが込み上げてくる。

自分はいつだって取り繕っていて、周囲に置いていかれないように、浮かないようにと必死だ。
家でも学校でもいつも誰かが俺の傍にいるが、それでもこの得体の知れぬ孤独感は拭えない。

きっと誰も俺のことなんか見ていない。

そう思うと何故だか少しだけ気持ちが和らぐ気がして、俺はいつも自分にそう言い聞かせてここまでのらりくらりとやってきた。

「今頃みんな楽しくやってるのかな」

独り言のように呟いてみても虚しくなるだけで、俺は目の前のコーヒーを啜って気分が紛れるのを待った。