6人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
1.
きょうはゆきがふってる。
いつからふってたのかな。
ようちえんの大きなまどのむこうに、ふわんふわんとふってるのが見えた。
「わこちゃん、大きなゆきだね」
「うん。さざんかの花びらが、ひらひらしてるのかと思った」
わこちゃんちのかきねに、さいてるお花だ。
「そうそう、それぐらいあるね」
もっと見たくて、まどにくっついた。
まどガラスはつめたくて、くっつけたほっぺたまでつめたくなる。
いきですぐに白くなる。
ゆびでぐるぐるって、うずまきをかく。
ゆびまでつめたくなる。
ゆきは、あとからあとからふってくる。
どこからふってくるのかなあって、ずうっと上を見てた。
そしたら、体がうかんでく気がした。
「お空にすいこまれてくかんじがするう」
「ふわあって、とんでくみたいだよね」
「ふしぎー」
ふたりで手をつないで、くるくる回る。
わこちゃんは、ちかのすること、おもしろがってくれるからすき。
さきちゃんやしんちゃんは、ちかちゃんてへんなのって、いうんだもん。
まさこ先生が、おかえりのよういしますよって、よんでる。
おへやまで、はしってく。
「先生、きょうのゆき、大きいね」
「そうね、きょうのは、ぼたんゆきね」
最初のコメントを投稿しよう!