第1話 私はモテ女子

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第1話 私はモテ女子

ここは会社の経理部。 営業や企画など、他の部署の支払い、領収書関係をまとめる部署だ。 私、本村萌花は、ここに入って4年目の25歳。 小さい時から、お小遣い帳などを記録していた私は、経理部が天職だと思っている。 「本村さん。今月もしっかり締め切り通り。凄いね。」 「有難うございます、部長。」 ここのボス、部長にも一目置かれ、私ははっきり言って、出来る女だと思う。 経理部はただ、領収書などの整理だけだと思われるかもしれないけれど、領収書一つとっても、締め切りを守らない人が、まず多い。 それを何とか、月末までに各部署、各課毎に分けて整理するのが、私達の仕事の醍醐味だ。 「ところで萌花ちゃん。今夜、一杯どう?」 部長が耳元でこっそり言ってきた。 「今日は予定があるので、すみません。」 「もしかして、彼氏?」 「はい。」 私には高晴と言う恋人がいる。 私より3歳上の28歳だ。 「それじゃあ、ダメだね。また今度。」 部長は断っても、また誘ってくる。 仕方ない。私はモテる女だから。
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