三 二人の想いの果ては…

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「どうして? 君は、俺のことなんて好きじゃなくて、別れたいんでしょ?」 言いつのる彼に、 「……違う」 と、口をつぐんだ。 「違うの? だったら、はっきりしてくれないかな?」 冷たく突き放すようにも聞こえるセリフに、涙がじわりと滲んでくる。 「なんで、泣くかな? 俺は、君の思い通りにしてあげようとしてるだけなのに」 目尻に浮かんだ涙を目ざとく見つけると、彼はやや呆れたようにも口にした。 「……そんなことを言うんだったら、」 と、その顔をキッと見つめ返す。 「だったら、あなたは本当に別れたいと思ってるの?」 「ねぇ、それ、俺に聞く?」 私の問いかけに、彼がハァーとわざとらしく大げさなため息をつく。 「……言ったよね? 俺の言ってることは、ぜーんぶ嘘って。全部嘘なんだから、お互いに恋を楽しめなくなれば、終わりでいいでしょ?」 「……そんなの、答えになんてなってない……」 もう彼の言動に翻弄されるつもりはないからと、低くぼそりと呟くと、 「私が聞いてるのは、あなたが本気で別れるつもりなのかどうかよ」 私は、溜まって溢れ出た涙を、握った拳でぐっと強く横に拭った──。
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