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香坂さんが白い歯を覗かせながら破顔する。
それにつられるように私も笑いを漏らすと、
続けて「そうですね」ともう一度共感した。
完全に別人なのだろう。
仕事と家庭でのギャップが大きいところは、
夫の直生も然りだから。
「話の流れで話すけど。
小早川さんの旦那さんって協力的な人よね。
今日も息子さんを迎えに行ってくれてるんで
しょ？」
次は打って変わってこんな話題を振られる。
週明け、朝から雨が降り続くこういう日は、
客足も引いて閑散日だ。
耳に心地よいカフェミュージックが流れる店
内には、人影一つない。
「はい。
遅番の時は母にお願いしたりもしますけど。
仕事が早く終わった時は主人も迎えに行って
くれて、助かってます」
店長を始め職場スタッフの協力のおかげで、
基本は、早番で組んでもらっているけれど、
急なシフト変更だとかスケジュール調整で、
ごくたまに遅番もある。
今日は、直生が夕方で仕事が終わるからと、
悠生のお迎えと晩ご飯とお風呂をかって出て
くれた。
こうして仕事ができるのも家族が居てこそな
のだと、復帰してからは常々実感している。
「保育士さんとか周りのママ驚いたでしょ。
うわー、ＣＭに出てるモデルさんだ！って」
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