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10月。 カレンダーでは大安と記されている土曜日。 青空と、大切な家族と友人達に祝福されて、 愛也と俺は入籍から1年越しとなる結婚式を 挙げた。 「結婚、おめでとう!」 「二人共お幸せにね!」 教会前。 フラワーシャワーとお祝いの言葉をもらった 愛也が、幸せそうな笑顔をこちらに向ける。 綺麗だ。 純白のウェディングドレスは腰からふわりと 広がり、豪華なレースが胸元にあしらわれ、 花嫁を、この上なく美しく引き立てている。 随分前、ドレスを選びに行って試着した姿を 見た時、あまりにも綺麗でつい見惚れたが。 式の前、控え室に足を踏み入れ対面したあの 瞬間は、言葉を失ってしまうほど可愛くて。 もしも周りに式場スタッフがいなかったら、 誓いの口づけを待てなかったかもしれない。 「……幸せになろうな」 「はい」 階段を一歩一歩降りながらほほえみあって、 こっそりとそう交わす。 この後。 場所を教会から会場に移して披露宴を行い、 食事や、余興を楽しむ。 そして、最後は両親への感謝の言葉を伝え、 締めくくられる運びだ。 一生に、一度のことだ。 笑って。 泣いて。 きっと、忘れられない思い出となるだろう。
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